日頃から 人の旅のスタイルには興味があるので、図書館で
見つけて隅々まで熟読。内容もビジュアルも楽しい本でした。
著者は、『スーパーマーケットマニア』シリーズで知られる
雑貨コレクターであり、本業は立体造形作家だそう。本書は
これまで22カ国約700日を旅した著者が、旅の準備の仕方や
旅先での過ごし方 旅の思い出などを項目別に収録。
数々の旅をしている著者だからこそ、ホテル選びや荷造りの
こだわりがあり 共感したり感心しながら 沢山の写真を
見ていると、こちらも旅したい気持ちが高まります。
特に面白いと思ったのは、旅先で書いているノートを公開した
ページや、必ず持って行く文房具等の道具の紹介。また、
中国・スペイン・北朝鮮・香港の旅のコラムは、とても興味
深い内容でした。著者の旅の歴史が、軽快に語られています。
ヨーロッパ・アジア・アメリカなど、旅先が偏っていないのも
良いですし、トイカメラのコレクションまであり。
旅の写真も沢山載っていて、美味しいモノや街角の風景など
旅好きなら引き込まれてしまうページが、きっとあるはず。
ガイドブックのような実用性は低くても、様々なアイディアや
見ているだけでも楽しいページに わくわくする一冊。
![]() | 雑貨コレクターの旅スタイル 森井 ユカ 河出書房新社 2009-06-19 by G-Tools |
おまけに、もう一冊。
解剖学者の養老孟司さんの 語り下ろしエッセイ。
前半部分は、「旅する脳」についての16の小さな話で
旅している時の思考の変化や 著者の旅についての
エピソードが語られています。語り下ろしなので
難しい話ではなく、すっと読めて かなり面白い!
「人はなぜ旅に出るのか」「日本人はなぜ記念写真好き?」
など思わず なるほど!と納得する言葉が詰まっています。
旅以外のパートも、生きるヒントになるような楽しい
お話ばかりだったので 夏の読書にいかがでしょうか。
![]() | 養老孟司の旅する脳 養老 孟司 小学館 2009-03-26 by G-Tools |